留袖に入れる家紋とは?おさえておきたい留袖マナー

格式の高い礼装である留袖は、家紋を入れなければならない紋付きの着物です。着物の品格を左右する家紋には、着物の種類によっていろいろなルールやマナーがあります。おさえておくべき家紋の知識についてご紹介します。

■留袖に入れる家紋とは?

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第一礼装として格式の高い留袖。黒留袖と色留袖の二種類がありますが、どちらにも家紋を入れます。家紋とは、礼装と呼ばれる黒留袖や色留袖、喪服などに入れる紋章をいいます。黒留袖は
最も格式が高く、主に結婚式で新郎新婦の母や仲人、既婚の近親者が着用します。一つの家紋の大きさは男性の着物で直径約4cm、女性の着物で約2cmです。

家紋は、着物の格を上げるアイテムの一つです。着物には次のような格式があり、着用のTPOに合わせて着分けることがマナーとされています。

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・礼装… 黒留袖、本振袖、白無垢など
・略礼装… 色留袖、振袖、訪問着、色無地など
・外出着… 最も着用範囲が広い。付け下げ、小紋、絞り、更紗など
・普段着
・浴衣

■家紋の種類

家紋は先祖代々その家に受け継がれている紋章で、300〜400種類もあるといわれています。主なモチーフは草花や鳥、自然、道具、幾何学模様などで、さまざまな意匠のものがあります。有名な家紋としては、桐紋・藤紋・橘紋・桔梗紋・蝶紋・鷹の羽紋・亀甲紋 などがあります。

滅多に着ることがない黒留袖などはレンタルする方も多いですが、レンタルの黒留袖には慣例的に「五三の桐」の家紋が使用されていることが多いようです。

■家紋は留袖のどの位置に入れるの?

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家紋の入れ方には、五つ紋・三つ紋・一つ紋の3種類あります。それぞれ入れる箇所は次のようになります。

・五つ紋…背中・左右の後ろ袖・左右の胸元
・三つ紋…背中・左右の後ろ袖
・一つ紋…背中

背中の紋は「背紋」、後ろ袖の紋は「袖紋」、両胸元の紋は「抱き紋」と呼ばれています。三つ紋と一つ紋は、略礼装につけるという点では同じですが、格という点では紋の数が多いほうが格上なので、三つ紋はよりフォーマル、一つ紋はよりカジュアルな着物になります。

■家紋の数に決まりはあるの?

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家紋を入れる数は、五つ紋・三つ紋・一つ紋そして無紋の4種類あります。紋の数は着物の格式を表すので、礼装である留袖に無紋はありません。必ず紋を入れますが、最上位の格式をもつ黒留袖には五つ紋、次に格式の高い色留袖には三つ紋を入れるのが一般的です。

黒留袖は、重ね着で品格を表すいにしえの風習の名残から、比翼地というものをつけて重ね着をしているように見せる比翼仕立てにすることがほとんどです。色留袖では通常行いませんが、比翼仕立てにする場合は、五つ紋をつけることも可能とされています。

■家紋は結婚したら嫁ぎ先の家紋にしないとダメ?

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家紋は家を表すものなので、結婚前にあつらえた着物には実家の家紋、結婚後にあつらえた着物には婚家の家紋を入れるというのが一般的です。結婚時に実家が作ってもたせる留袖には実家の家紋を入れます。こうすることで、嫁ぎ先で冠婚葬祭があったときに、周囲に嫁であることが分かるともいわれています。実際のところ、どちらにするかは地域や家によってまちまちです。

着用する場面を考えて紋をつけ分けるところもあり、結婚式などで着る黒留袖には嫁ぎ先の家紋、喪服には実家の家紋とすることもあります。すでに紋入りの着物を持っている場合には「紋入れ替え」といって紋を替えることができます。

また、家紋には「女紋(おんなもん)」というものがあります。これは、女系で代々引き継がれていくもので、母から娘へ、娘から孫娘へと女性の子孫に受け継がれる家紋をいいます。女紋には、その家の母が使う「母系紋」やその家の女性だけが使う「替え紋」などがあります。主に西日本の風習で、このような風習がある場合には、女性は嫁ぎ先の家紋をつけず継承されている女紋をつけます。

まとめ

家紋は家を表す大事なものです。ですから、家紋については一般的なルールのほかに、地域的な慣習や先祖代々からのしきたりが多くあります。実家や婚家の慣習をよく理解して、マナー違反がないように気をつけたいものです。

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